≪介護センターヒカリスル―がAさんと関わらせて頂いた時点の状況≫
早くにご主人を亡くされたAさんは、ご主人の連れ子であった義理の息子さんと2人暮らしをされていました。
しかし、息子さんは東京転勤が決まり、その後は1人暮らしをはじめ、数年がたちました。
高齢になり1人で暮らすことに不安を覚えていたAさんは、ある日、近所で同じように一人暮らしをしていたお友達のYさん(68歳)と同居することにしました。
お互いの安心のため、女性2人での同居生活が始まりました。
最初は比較的元気だったAさんですが、ある時から認知症の症状が出始めます。
そこから少しずつ、YさんがAさんのお世話をするようになってきました。
はじめは料理や買い物・掃除などだけお手伝いしていましたが、そのうちAさんから銀行のカードや通帳を預かり管理をされていて、銀行でAさん名義の口座からお金を引き出すこともありました。
そんな折、東京にいる義理の息子さんがそのことを知りました。
息子さんとYさんとは面識がなく、お金の使い道について支払先の領収書もなかったため、息子さんはYさんに対して懐疑の念を抱くようになり、危うく裁判になりかけていました。
≪看取りの生涯一貫サポートを利用して≫
AさんとYさんは他人なので、Aさんから依頼されたとはいえ、他人名義の通帳からお金を引き出すことは法律上許されることではありません。
そのため、ご家族から訴えられた場合、たとえ好意でお手伝いしていたことであっても、Yさんのしている行為は法律違反にあたってしまいます。
介護センターヒカリスルーでは、Aさんに任意後見制度を使った「看取りの生涯一貫サポート」をご契約いただくことで、この問題に対応しました。
まず、Aさんには任意後見人をつけ、お金に関しては全て、後見人が法律に基づいて管理できる体制を整えました。
また、これまではお世話をする代わりにAさんが家賃を100%負担するという口約束だけだったのを、介護センターヒカリスルーを通して、Yさんがお仕事としてAさんのお世話をする形で契約を結びました。
他にも、遠方の息子さんは入院時や手術時の保証人になることが難しいため、公正証書を作成して保証人の契約も結びました。これで、万一の時にも安心していただくことができ、ご家族である息子さんにも納得していただくことができました。
このように、成年後見人制度を使ったり、公正証書を作成したりすることで、法律に則った形で、Aさんを支援することができるようになったのです。